茂木健一郎さんは現在クオリア(感覚の持つ質感)を研究しているそうですね。
赤い質感などそういうのをどう解くかをライフワークにしているとのこと。
私たちが心を持っている不思議など人類にとって最も大事なことを研究している自負があるが、
解ける確率は高くないので100年に1人の天才じゃないと解けないようなことを凡人の自分が研究しているということは、
自分の人生は無理ゲーだなと思って日々過ごしているそうです。
答えがあるのかわからないかなり難しいことを研究していますよね。
人工知能がどんどん世の中に出てきているけれど、人工知能をいくらやっても意識というのは生まれないと茂木健一郎さんは思っているそうです。
ただ、逆に人工知能にも意識が生まれると言う人もいて、こういうまだよくわかっていない無理ゲーを解くことを人生の目標にしていると意外と楽しいですとのこと。
59歳の茂木健一郎さんの今の収入源は、「ソニーコンピュータサイエンス研究所」でシニアリサーチャーをやっており年俸で契約しているそうです。
他にも本の印税やインターネットラジオなど小さな収入源はいくつか持っているとのこと。
2022年4月からは東大の客員教授もやっているそうですね。
茂木健一郎さんはこのように色々とやっていますが、肩書は「脳科学者」で通っています。
しかし、日本の社会における脳科学のイメージが嫌いで納得していないとのこと。
例えば一般の人が「朝に脳を活動させるにはどうすればいいですか?」「男と女の脳の差は何ですか?」など質問してきますが、
「知るかよそんなの!」とうんざりするそうです。
世間の人が興味を持つようなことを脳科学者は全く研究していないのですが、一般の人はそういうのに興味があり脳科学をそういうものだと勘違いしているとのこと。
自分が本当に興味があってやりたいことはクオリアのようなことだが大衆にウケないし、金にもならないのがもどかしい部分があるそうです。
茂木健一郎さんは、小学校1年生の時から日本鱗翅学会に入っており、蝶々や蛾の研究をしていたそうですね。
小さな頃は蝶々の博士になりたかったとのこと。
ただ、小学校5年生の頃にアインシュタイン伝記を読んだことから物理学に興味を持ってそこからはまっていったそうです。
小学5年生で物理などよくわからなかったんじゃないですか?と聞かれることもあるが、
科学が好きな人からすると小学生でも相対性理論とか量子力学に興味を持っているのは普通のことだそうです。
しかし、そういう子供が周りにいる普通の子と比べると少し変わっていると思われるのは間違いないという自覚はあるそうですね。
確かにそういう話ができる友達とか限られそうですよね。
茂木健一郎さんと言えば、数年前に「日本のお笑いはオワコンだ」という発言で炎上しましたよね。
自分はこどもの頃からイギリスやアメリカのコメディが好きで、周りの友達とお笑いのツボが違ったそうです。
そういったことが大人になってからこの発言に繋がるわけですね。
話が大きくなっていないだけで小さな炎上なども多々あり、世間との感覚や考え方の違いに悩むときもあるとのこと。
今の自分は世間との関わり方がとても難しい立ち位置で今は変わり者としか見られていないが、
ノーベル賞3個くらいもらって天才脳科学者茂木健一郎になれば立ち位置がわかりやすくなると思っているそうです。
茂木健一郎さんとしてはノーベル賞はどうでもいいもので目指したこともないですが、自分が研究しているクオリアという研究はノーベル賞の対象になるし、
受賞したら世間的にわかりやすいのがそれであるというだけみたいです。
確かにノーベル賞3つ受賞したら本当にすごい人なんだなと誰でも思いますもんね。
現在の茂木健一郎さんをサッカー業界で言うと、普通のプロサッカー選手とメッシの違いみたいな感覚だそうです。
自分はメッシにまだなれてはいないけれど、クオリアという研究をやっているというのはメッシになるというフラグをあげている状態にあるそうです。
そしてまだ降伏の白旗はあげていないぞという状況とのこと。この中途半端な自分の立ち位置がかなり嫌だそうです。
ちなみに茂木健一郎さんがクオリアに興味を持った瞬間があって、31歳の時に電車に乗っていて「ガタンゴトン、ガタンゴトン」という電車の音が質感として聞こえてきて、
その時に人生観が全部壊れるほどの衝撃を受けたそうです。なんでも方程式とか数式で書けると思っていたのにこれは書けないということに気付いたとのこと。
その衝撃のせいでそれまで自分的にはごく普通の研究者だったのが、31歳の時にクオリアという無理ゲーの世界に来てしまい人生をある意味踏み外したそうです。
もはや天才の領域なので凡人の私達ではよくわからないですね。
例えば自由意志(自分で自分の未来は決められるのか)というのが科学では大論争になっており、
もし科学的に自由意志がないということになると犯罪者に責任を問えなくなる。
科学的に言うと脳の中の神経細胞の活動が全部方程式で書けるので、自分の意志ではなくその細胞が勝手に決めてしまっているとも言えてしまうのだそうです。
そういうことを科学的に論理的に解明できた人は1人もいないので、解明出来たらノーベル賞確実だし100ノーベルくらいあっても良いとのこと。
天才と言われるような人はこういうことに興味を持つので研究したいが、世の中はつまらない事がお金になって本当に面白いことはお金にならないのでそこが難点だそうです。
もうこういう分野に興味をもってしまったら沼にはまったみたいなものですよね。
茂木健一郎さんがテレビに出演するようになったのは、小柴昌俊さんがノーベル賞の賞金で科学番組を作っていてそこにゲストで呼んでもらったのがきっかけだそうですね。
そこからNHKの「科学大好き土よう塾」などに呼んでもらうようになり、転機となったのは「プロフェッショナル仕事の流儀」のキャスターをしたことだそうです。
プロフェッショナルな人達の思考回路を科学的に説明するという立ち位置の仕事ですが、茂木健一郎さん的には誇りをもってできた良い仕事だったとのこと。
日本のコメディーや番組を否定することもあるけれど、テレビやメディアを全否定しているわけではないそうです。
自分の肩書にはブロードキャスターも入れていて、自分の理想とする放送の在り方や表現の仕方が実現できる番組は誇りをもって一生懸命にやっているそうです。
一方でテレビの仕事で楽しかったのは大阪ど真ん中な感じがするメッセンジャーの黒田さんとただ喋りながら歩くロケがめっちゃ楽しかった記憶があるとのこと。
黒田さんと通天閣あたりをぶらり歩いただけですが、難しい番組内容ではなくそういうのが楽しかったり面白いと感じる部分もあるようで、
人の脳みそって本当に深いですとのこと。
ですので「日本のお笑いはオワコンだ」という発言で炎上しましたが、日本のバラエティーを全否定していたわけではないそうです。
ただ、この発言が話題になってしまい松本人志さんにワイドナショーに呼ばれたけれど、スタジオで強気に言えるタイプではないし松本人志さんも好きなので
「すみません」と平謝りしかしていなかったら東野幸治さんが優しくなだめてくれたそうです。
海外のコメディの様子を見ると日本のお笑いの足りない部分も見えてきて、吉本など海外進出を狙う日本のお笑い業界が今のまま行っても通用しないかもしれないから
向こうのコメディ文化をもう少し理解した方がいいんじゃないかっていう余計なお世話をツイッターの140文字の中で発信したのが悪かったと今では思っているとのこと。
とはいえ養護してくれた人も多くて刺さる人には刺さったみたいなので自分の中ではもう消化したそうです。
今後は自分の専門ではない他分野に口出しするんじゃなくて、
日本の脳科学のイメージがあまりにも悪く心理学みたいなものだと思われているのを払拭していきたいとのこと。
脳科学というのは知性(インテリジェンス)とはどういう事かを理解するというようなことで、
人が集まるとどうやって知性が生まれるかなどをこれからも研究したいそうです。
突き詰めてノーベル賞をぜひ受賞して欲しいですよね。
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